史料ガイド
『武功夜話』(前野家文書)ぶこうやわ
後の時代の本 出来事から時間がたってから書かれたもの。よく知られた逸話の多くはここから出る
| 書いた人 | 前野家に伝わったとされる。吉田蒼生雄 訳注 |
|---|---|
| いつ | 1959年に見つかったとされ、1987年に刊行 |
| 使っている章 | 第二章「兄に呼ばれた弟」 |
一どんな本か
尾張の前野家に伝わったとされる記録。伊勢湾台風のあと蔵から見つかったとされ(1977年とする記事もあります)、1987年に翻刻が刊行されました。墨俣の築城を最も詳しく書きます。
二読むときに気をつけること
信頼性について、研究者の見方が分かれています。当チャンネルは「慎重に扱うべきとする研究者が多い」までとし、「偽書」と断定はしません。
慎重・否定側:近代の地名(「富加」は1954年の合併でできた名)、近代的な用語や製図法、暦の不一致などを指摘します(藤本正行・鈴木眞哉『偽書「武功夜話」の研究』2002、服部英雄氏、呉座勇一氏ほか)。
利用・評価側:三鬼清一郎氏(2000年に原本調査)、小和田哲男氏(2005年に原本調査)は、近代の偽作ではなく江戸期のもので、敗者側の聞き書きとして価値があるとします。
墨俣の話や、兄が弟を呼びに来る場面をいちばん詳しく書くのがこの史料なので、一夜城をどう見るかにも直接かかわります。